ヴァイオリンカフェ

ヴァイオリンという楽器について、主にその誕生について調べています。

「耳をすませば」 ヴァイオリン職人を目指す少年が出てくる!

珈琲ブレイク

ふと思い出して、アニメ「耳をすませば」を視た。

 

1995年の映画。

Windows95が出た年。

パソコンはまだ一部の人たちのもので、スマホの登場もまだという頃。

主人公のお姉さんが使っていたのはワープロだと思う。

 

主人公たちは図書館で本を借り、勉強し、調べ物をする。

本に付いている貸し出し用の図書カードには借りた人の名前が並んでいる。

ちょっと時代を感じる。

 

思い出して、また見ようと思ったのは

ヴァイオリン職人を目指す少年(天沢聖司)が出てくるから。

ヒロインの中学生、月島雫の相手役。

 

ヴァイオリン職人という言葉は、あまり馴染めない。

でも他にぴったりする言葉も見つからない、ような気がする。

ヴァイオリンだけでなくて、ヴィオラやチェロなども扱うし、

ベース専門、古楽器専門、の人もいる。

全部ひっくるめた言葉があればいいのに。

弦楽器職人というのが意味的には無難かと思う。

でも、何かカタすぎる。

 

「耳をすませば」には原作の漫画があって、

そこでは天沢聖司はヴァイオリン職人ではなくて

画家を目指しているらしい(まだ読んでないのです、ごめんなさい)。

ヴァイオリン職人にしたのは何故だろう?

たしかに映画的には音楽関係の方が合っているようにも思うけど。

 

演奏シーンには、ちょっとビックリした。

ヴァイオリンやヴィオールを弾く少年やおじいちゃん達の腕や手首の動き、

弦を押さえる手指の力の入り具合みたいなものが、

しっかり描かれていた。

本当にちゃんと弾けるひとの動き。

 

ヴァイオリンを作る場面はもう少し有ってほしかった。

作業台や製作途中の楽器も、もっと見せてほしかった。

本筋じゃないから仕方ないのかもしれない。

ここではヴァイオリン関係に注目してるけど

ヴァイオリン職人の世界のお話ではないので。

 

進路に悩む、ファンタジー好きの中学生ヒロインを描く青春映画。

ヒロイン雫は、

真っ直ぐにヴァイオリン職人を目指す聖司と知り合い

自分の道を模索しゆく。。。

 

 

 

最後に。

ヴァイオリン職人に興味を持ったあなた、

イタリアはクレモナへの留学に関心のわいたあなたへ。

クレモナのヴァイオリン製作学校は実在の公立の中等教育機関です。

日本からの出願は18歳以上、

授業はイタリア語、だそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

年輪年代学とヴァイオリン

 

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"Tree Rings" by pellaea is licensed under CC BY 2.0

   およそ450年前、アンドレア・アマティはフランス王シャルル9世のためにヴァイオリン(とヴァイオリン属の楽器)を作りました。そのヴァイオリンは、ヴァイオリンと呼ばれた楽器の集大成とも完成形とも言えるものでした。ストラディヴァリが生まれる80年以上前のことです。美しい装飾の施された楽器は現在も残っています。残されたもの全てではありませんが演奏可能です。

本当に?そんなに古い楽器が?本物なの?「テセウスの船」だったりしないの?こんな疑問が湧いたりしないでしょうか。

それらの楽器がどうして「それ」とわかるのでしょう。

 

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「シャルル9世のヴァイオリン」以前

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左から マティアス・グリューネヴァルト イーゼンハイム祭壇画 1511〜1515頃/ペルジーノ アンヌンツィアータ 大聖堂のための祭壇画 1510/ガウデンツィオ・フェラーリ 奏楽天使 1535

 

   絵画や古文書の中にヴァイオリンらしいものが現れるのは、現存する楽器が作られた年代よりもう少し遡ります。描かれた楽器や文書の記述のどの辺りから「ヴァイオリン」と考えられるのか難しいところです。

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フランス王室のヴァイオリニスト

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 アマティ家は3代にわたってフランス王室のために楽器を作りました。国王の紋章やモットーなどが美しく描かれた楽器です。そのうちのいくつかは現存していて博物館などに保存されています。では、フランス王室はどこでアマティ家の楽器のことを知ったのでしょう。フランス国内でもなく、古くから楽器製作が行われていたわけでもない北イタリアはクレモナの製作者のことを、どうして知ったのでしょう。

 

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フランス王室とヴァイオリン

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"Altar of the chapel of Versailles, the very spot where Marie Antoinette married Louis XVI" byJorge Lascar is licensed under CC BY 2.0  

ヴェルサイユ宮殿の王室礼拝堂

 

アンドレア・アマティがサン・ファウスティーノに工房を開き、息子のアントニオも一人前の職人になっていた1560年代。フランス王シャルル9世のために楽器がつくられました。大小2つのサイズのヴァイオリン24挺、ヴィオラ6挺、チェロ8挺、全部で38挺あったと言われています。弦楽アンサンブルもできるほどの楽器です。新しいヴァイオリンという楽器はどのように使われたのでしょう。当時のフランス王室の音楽環境に注目してみました

 

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アマティ家 〜クレモナ派の創始者一族の200年〜

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"Cremona - Piazza Roma" by Simone Ramella is licensed under CC BY

 

写真右奥に見える建物のある一角は、様々な職人達の集まる職人街でした。アマティ家ほか楽器製作者たちの工房もここにあったのです。

ヴァイオリンを完成された形に作り上げたアンドレア・アマティ。クレモナのヴァイオリン製作の街としての歴史がここから始まります。

 

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アンドレアはどこで誰のもと弦楽器製作の修行をしたのか?

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"A woman sits working at a spinning wheel as a man works at the table making a violin. Wood engraving by C & H after HH."is licensed under CC BY 4.0

 

アンドレアはどこで誰のもと弦楽器製作の修行をしたのか? 

    前回、クレモナのアンドレア・アマティがヴァイオリンを完成された形にまとめ上げた、アンドレアが工房を開くまで、クレモナに公式には弦楽器製作工房はなかった、と書きました。では、アンドレアはどこで弦楽器製作の修行をしたのでしょう?

 

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